ネイティブ柄&鳥&食べ物&魚…美しいビーズステッチで表現
フルタイムワーカーから作家へ?第6回の作家さんに会いに行ってきたよ!は「clair de lune」さん!
知っている人は知っている「clair de lune」さんは、かなり、飲める。なので今回は「clair de lune」さんおすすめのビストロで彩り豊かなプレートランチとワインとともに話を聞いてきましたよー。
東京生まれ東京育ちの「clair de lune」さん、いろんな縁があって福岡へ。東京ではフルタイムで働いていたので、福岡でも仕事を探したところ福岡の時給に驚いてしまいます。しかし一日ぼーっとしているのはつらいし、なんかやりたいな~と思っていたところ、とある雑貨屋で素敵なビーズのアクセサリーに出会いました。
それは日本国内でグラスビーズを作っている松野工業のアクセサリーブランド「松野グラスビーズ」のアイテムでした。柔らかく丸みを帯びたビーズが織り成す、不思議な魅力。
購入し、気に入って身に着けていたところ…よくよく見ると、自分で作れるかも?(キター!作家さんあるある!)時間はたくさんあったので、そこからはYouTubeで基本の作り方動画を見る日々。目を増やす、目を減らす、何事も基本から。シードビーズも探しに行きます。松野グラスビーズのビーズは他のシードビーズと違い角に丸みがなく、円柱型(筒型)をしています。シリンダービーズと言うそうです。似たものを捜して使い始めたのが株式会社MIYUKIのデリカビーズです。
もともとネイティブ系のデザインが好きで、まずはネイティブ系から作り始めました。自分で身に着けるために作っていましたが、だんだんと欲が出てきて…。売ってみたくなります。売ったらどうなるんだ?
そこで「ハコイチ」です。「ハンドメイド、販売、福岡、イベント」とかで検索してくれたのかな。検索結果に表示されてよかった…。
「ハコイチ」と「clair de lune」さんを決定的に繋いだ面白い縁があります。ハコイチ会場の斜め向かいにある焼き鳥「陣太鼓」さん。10代のころから通っている馴染みのお店なんですって!なんと旦那さんが福岡の人で、こっちに来た際には箱崎の陣太鼓に食べに(飲みに?)来ていたそう。19歳の時に、常連にしか出さないメニューを一人で5皿食べたという伝説を残しています。で、陣太鼓の大将に「ハコビルってどこ?」って聞いたら、ここだーってハコビルまで連れていかれて、あ、ここなら出展できるわ、となったと。東京の人ですが、福岡のしかも箱崎に縁があったんです。面白い。
初出展は2016年の10月でした。イベント出展も初めて。しかも接客が苦手だから、学生時代のアルバイトも倉庫で働いたりしていたのに、自分で作ったビーズアクセサリーをイベントで売ることになるんだから、人生何があるかわかりませんね。嬉しいことに、初出展でアクセサリーが何個か売れました。買ってくれる人がいるんだ!売れると、楽しくなります。
11月も連続で出展。初出展時は、ネイティブ系とひし形のデザインがメインでしたが、2回目の出展時にはフリンジが登場。ただ、ハコイチではシンプルなひし形が人気だったようです。
ハコイチは、初めてでも受け入れてもらえたと感じて、出れる時は出ようと思ってくれたそう。理由を聞いたんですが、出た人にはわかる!そうで。出展者、主催者、建物、全体的な雰囲気がふんわりしていて、次も出たいと思わせる何かがあるんだとか。出展者さんにはわかるのかな~私はもうなじみ過ぎててよくわかんないです。
ハコイチ出展がきっかけで、繋がったこともあって…。初出展の時に「エルマ・ドマテス」さんに気に入られ、年2回グループ展「あーとの森」で博多阪急に出展。百貨店限定のリッチなアクセサリーが、登場しました。
イベントに出るのは楽しい。買ってくれる人もいる。でも自分だけの「コレ」が欲しくなって、あの「鳥シリーズ」が登場します。鳥シリーズの最初はピンクのフラミンゴ。初めての左右非対称デザインに、図案を作るだけで1週間かかりました。なんでフラミンゴ?って聞いたら、その時流行ってたと。たくさんフラミンゴの雑貨が出てて、じゃあ作ってみるか、と。
私が初めて購入した「clair de lune」さんの作品が、写真左のブラックフラミンゴでした。足のセクシーさが気に入って購入した記憶が。なお、足の部分を作るのが大変なので現在は足ありのフラミンゴは販売していません。足なしのタイプはありますよ。
ちなみに図案はスマホのエクセル的なもので表を作り、その表に図案を書いているそう。ひし形のシンプルなデザインは図案なしで作っちゃうんだって。
オリジナルの鳥シリーズは人気になり、それからたくさんの鳥たちが生まれました。インコ、オオハシ、オウム…最新作もキューバコビトドリという可愛い鳥さんです。なんと鳥シリーズはレシピ付きで、「ビーズフレンド」にも掲載されたんですよ。
私もオウムをブルーカラーでオーダーしました。2017年ごろからしばらくバナナスタイルという会社名だったので、バナナを添えて。このオウムは…落としました…。
たくさん「clair de lune」さんのアクセサリーを買ってるんですが、よく落とすんですよ…。写真のアクセサリーも落として、道を戻って探して見つかったのが横断歩道の上でして。車に轢かれてむざーんなことになっていましたが、片方だけ作ってもらいました。こういう対応していただけると嬉しいし、助かります。どうしても片方落としたり、壊れたりすることはあるので。
鳥シリーズのあとにも続々新しいシリーズが生まれました。「食べ物シリーズ」は、ハンバーガーとポテトの黄金コンビから。
ハロウィン季節限定の「メキシカンスカル」や、「魚シリーズ」、縁起物シリーズも登場しました。タツノオトシゴや、丑年にはウシ、カメラとか…。昨年のクリスマスにはサンタやスノーマンも。季節ものはわくわくして、ついつい手に取っちゃう。
リングやネックレスも登場したり、常に新しい作品を生み出し続けている「clair de lune」さん。小さいころから細かい作業が好きだったそう。どうやらお母さん譲りらしい手先の器用さ。お母さんは穴のないビーズで絵を描いたり(作ったり?)していたそうで…今でも実家にはトラの大きなビーズ絵が飾られています。内職作業も得意だった、と。なるほど~、ハンドメイド作家の素養ありです。私も母が編んでくれたセーターや刺繍してくれたレッスンバッグとか持っていましたが…あれれ?
こちらのトラは、「clair de lune」さんの今のとこ最大の作品。迫力たっぷり。八方睨みで厄払い。
東京の大きなイベント(デザフェスとか)にも出展されているので、ハコイチとの違いを聞いてみました。一番はやはり集客力が違う、とのこと。それともう一つ、バイヤーさんが来ること。もちろん出展料も高く交通費など経費もかかりますが、たくさんのハンドメイドに興味のある人が来るので、知ってもらうには良い、そうです。うん、ハコイチもハコイチなりにもっと作家さんのためになる場所に変えて行きますね。
たまには持ってない色を作ろうとするけれど、結局好きなものばかり作りがち、という「clair de lune」さん。ネイティブ柄が好きなんだけどいまいち売れない…。でもネイティブ柄の売れがいまいちだからオリジナル性の高いネイティブ以外のデザインが生まれたりしたので結果的に良かったかも?と、話してくれました。ネイティブ柄もカッコいいんですけどね~。
これからどうなりたい?って聞いてみました。ビーズステッチ楽しいんだよねー。これからも続けていく。レシピ考えてキットを売る?とか思うけど、やっぱり自分で作りたい!からやれるとこまでやってから考えよっかな、って。
好きなことを好きなだけ、貫いていきましょ。2022年の「clair de lune」さんにも期待です。
Pick Up この記事で紹介した作家
clair de lune
ビーズを一粒一粒、糸で編んで作っています。デザインも全てオリジナル図案です。数あるデザインの中からお気に入りを見つけてください。