子供の無病息災を願い、子供たちがお線香を手に家々を巡り、お菓子をもらえる素敵な縁日です
7月23日に箱崎地区に昔から伝わる「箱崎人形飾り」にハコイチも参加しました。お地蔵様の縁日(毎年7月23日・24日)に因んで、家々の前に箱庭を作り素焼きの人形を飾って、子供の無病息災を願うお祭りです。
人形飾りの起源は定かではありませんが、もっとも古い記録では南北朝時代の多々良浜の戦いで亡くなった人々の供養のために始まったという説があります。1300年代のことですので、700年近くも続いている行事です。
人形飾りの箱庭には、必ず「お地蔵様の石」を祭ります。石は近在の地蔵尊から頂いてきます。昔は医療の進んだ現代と違い、子供の死亡率がとても高かったので、子供の健やかな成長を「お地蔵様」に祈っていました。子を思う親の祈りが現代にも伝わり、箱庭のお地蔵様が見守る中で箱崎の街中を子供たちがお線香を持って巡るのです。
箱庭のかたちは各家で様々です。ハコイチ近くの「網屋天満宮」には、地元の箱崎小学校6年生が作った人形飾りや、博多人形の人形師さんが作ったさまざまな人形飾りがあります。人形飾りという箱崎ならではの文化を残していくために、箱崎小学校では人形師の指導の下、毎年人形を作っているんです。
箱庭は、筥崎宮から砂をいただいてきて、お地蔵様の石を祭り、川と橋を飾ります。川は彼岸と此岸、橋は行ったり来たりできるようにでしょうか。子供と石といえば賽の河原の石積み…。箱崎の人形飾りは長い歴史の中でさまざまなものが交じり合って現代に残った一つのかたちなんですね。
2022年「ハコイチ」の人形飾りはこちら。ハコ町屋にあった昔の人形と、じゃぽにぱいちばさんが作ってくれた最新の人形を飾りました。ハコビルとハコ町屋も!
古い人形はハコ町屋を片付けていて出てきたものです。「人形」と書かれた箱の中に入っていました。包まれていた新聞の日付は昭和38年。鳥居の奥にあるのがお地蔵様の石です。
夕暮れが近づくと、手に線香を持った子供たちが登場します。箱庭の飾られている家々を回り、お線香をあげ、お参りをします。
元気に楽しい夏休みが過ごせますように!お参りが済んだら、子供たちにとってのメイン、ご褒美のお菓子タイムです。
お菓子をあげる習慣は、街のかたちが変わり、人形飾りをする家が減り…そうした状況を憂えた地域の人々がこの素敵な文化を後世に残すために考えた企画の一つのようです。今回は駄菓子問屋の遠藤商店でたくさんのお菓子を買ってきて、駄菓子屋風に並べてみました。「わ、たくさんある!」と喜ぶ子供たちの歓声が嬉しかったです。
「人形飾り」に合わせて、ミニハコイチも開催しました。いつもとは違う16時~の開催、お祭りな雰囲気に浮かされて、作家さんとわくわくした時間を過ごせました。打ち上げ飲みも楽しかったです。
初めてのハコイチを開催した2010年の7月もちょうど「箱崎人形飾り」の日でした。いつかの人形飾りの日の写真があったので、アップしますね。
二人とも若いですね。この頃は、着物や浴衣を着て主催していました。暑くてお腹周りにあせもができてたなあ。
2011年の人形飾りです。ハコビルの一階には「たけ」というそば屋さんがありました。こぐま屋さんはまだありません。「スナックトロイカ」が閉店したまま残っていたころです。この子供たちはもう大人になってるんでしょうね~。
ライトアップされた人形飾りもきれいです。今はもう閉店した「社家町米穀店」さんの人形飾り。子供のサイズ感から2012年かと思います。
2013年の人形飾りの準備中。家族総出で箱庭を飾り付けるんです。
こちらも2013年の写真。人形飾りに合わせて夕方からのハコイチを開催した年です。この頃は毎月第3土曜と次の日曜に固定されていなかった頃ですね。ハコイチも12周年、それなりにいろいろありました。
今年、とても久しぶりに箱庭を出しましたが、やっぱりワクワクしますね。「箱崎人形飾り」は毎年7月23日と24日に開催です。箱崎地区の子供じゃなくても参加できますので、来年はぜひお線香持って箱崎の街を回ってみてください。
箱崎人形飾り
毎年7月23日・24日の17時~20時ごろ
子供のみ、参加自由
場所:箱崎周辺
持ち物:お線香、お菓子を入れる袋
メイン会場:網屋天満宮・箱崎公民館