出会いを求めて旅に出ました
今日はちょっとハコイチから離れたお話。私は旅が好きです。初めて見る景色、通る道、出会う人、見つける生き物、食べる料理。どうして旅が好きなんだろう?そう考えたときに、まず一番に思い浮かんだことは「何かに出会いたいから」でした。知らない何かに出会うために旅に出たいんです。
今回の旅の目的地は、南の海に浮かぶ花とサンゴの島「パナウル王国」です。
王国へのルートは数ルートありますが、今回は沖縄本島からの海路を選びました。当日は悪天候のため、条件付き運行の船旅となりました。乗船時点ですでにかなり揺れている船内。1時間半後にはさらに揺れ出す…とのこと。海に撒き餌しそうになりながらも何とか耐え、無事に「パナウル王国」の地を踏むことができました。船を降りても地面がとってもふわふわします。
まずは出入国管理局を兼任する観光協会へ赴き、入国審査を受け、無事に「パナウル王国」のパスポートを発行してもらいました!王国民への第一歩完了です。
さてそろそろ説明しますと、「パナウル王国」とは鹿児島県最南端の島「与論島(よろんじま)」のことです。沖縄本島の最北端辺戸岬から北東へ23kmの美しいサンゴ礁に囲まれた島です。
渡航の主目的が「パナウル王国」のパスポート取得だった我々は着いて早々ヨロン島観光協会へ赴き、パスポートをゲットしてしまったので暇になりました。ちなみに3泊4日のうちの一日目の昼です。そんな我々に優しい手が差し伸べられまして…入国審査してくれた観光協会のあすかさんの息子くんがうちのタイキと同い年ということもあってなんか通じ合い、島を案内してくれることに。
ゆんぬんちゅ(与論島の人のこと)の少年とかくれんぼしたりかけっこしたり。ゆんぬんちゅの子供たちの憩いの場「イケダパン」に駄菓子を買いに行ったり。ゆっくりのんびりした島時間が流れていきます。
次の日も特に予定のない私たちに、あすかさんが午後からアドベンチャーツアーに一緒に来ませんかとお誘いいただき、即答で行きます!と一緒に遊んでもらうことに。島の南にあるサザンクロスセンターに車を停めて、歩いて海岸まで降り、そして登って戻ってくるというトレッキングツアーの模様。
大変身軽な子供たちとジャングルの中を歩いて降りていきます。小雨が降っていて、足元注意。今歩いているフィールドは私有地で、エコツアーガイドである先生こと阿由葉さんが許可を受けて、トレッキングルートを開拓しているところだそう。ヨロン城の竜のカタチを模した城壁から始まるフィールドなのでドラゴンフィールドと名付けられた場所。ネットの事前情報によるとヨロンは平坦な島でマリンアクティビティがメインだと勝手に思ってましたが…。
海岸まで降りてきました。思ってたよりハードモード。クロックツじゃ無理でしたね…、子供たちは靴を借りました。ありがたや…。
ここから潮が引いた海岸線を渡っていきます。滑りやすいので、足をまっすぐ下に降ろすように歩きます。
海岸を抜けたら、狭い岩の割れ目に入っていく先生。探検だ、冒険だ!
先に進むしかありません!
ずっと「もうやだ!」とか「助けろ!」とか叫んで泣いて元気に怒っていたマイちゃんですが、最後はこんな急な崖も一人で登れるように。ゆんぬんちゅとの出会いのおかげで、知らないヨロンに出会えました。平坦な島だと思っていたのだ。ちなみにこの日は経験者のあすかさんたちに合わせた特別なツアー。もっと優しいツアーもあります。
さて、島を訪れていた4/3は折しも「浜下り」というヨロン=ゆんぬのお祭りの日でした。スーパーもお昼に閉まるし、休みのお店も多いです。島全体がふわふわした雰囲気に包まれていて、いいですね。特別な日なんだ。
旧暦の3月3日に赤ちゃんの健やかな成長を祝って、赤ちゃんに草履をはかせて海に足をつけます。そのあと浜辺で宴会をするそう。そしてこの日は大きく潮が引くので潮干狩りをしているゆんぬんちゅも多いと聞き、いそいそと海岸へ。おじいに釣り教えてもらう。ザリガニを釣るような仕掛けでクエが釣れた…南国ゆるい…。おじいは先に帰るというので釣り具を貸してもらいます。使い終わったらその辺に置いといてって。
曇り空でもゆんぬの海はきれいです。人はあまりいませんでしたが、ハマガメ(ミナミスナホリガニ)という見たことのない生き物に出会いました。
日中は外で遊んで、夜は居酒屋で黒糖焼酎飲んで、食べて。暮らしてたらあっという間に最終日。やっと晴れの予報なので、海謝美(うんじゃみ)という、海岸清掃活動に参加します。ゆんぬのほぼすべての海岸を反時計回りにぐるっと日替わりできれいにしています。日の出も見たくて頑張って早起き。気持ちがいいね。
活動の様子は、海謝美さんのブログをどうぞ。ハコイチ一家も登場しています。
名残惜しいけどさ~、あっという間に帰る時間だよ。4日間ずーっと遊んでもらって楽しかったね。ランチを一緒に食べて、車でフェリー乗り場まで送ってもらいます。
最終日、晴れてよかった。空も海も青くて、気持ちがいい。友達を一緒に連れて帰ろうというタイキ。分かるよ~。
また来るね~。
ヨロンに来た時には、帰る時にこんな気持ちになるなんて思ってもなかったなあ。ヨロンの言葉でありがとうは「とーとぅがなし」といいます。漢字にすると「尊々加那志」。「加那志」は愛(かな)し、しみじみと愛しい気持ち。またね、与論島。とーとぅがなし!
そうそう、島で出会ったあすかさんは情報誌「PICHU」を発行しています。「ヨロンの人たちと紡ぐ、ヨロン島の今とこれからの旅。」がテーマの「人」にフォーカスした読み物です。ヨロンには美しい海や、サンゴの砂浜もあるけれど、ヨロンの「人」こそが一番の財産だと私も思います。私たちと出会ってくれたゆんぬんちゅがいたからこそ、島での滞在がより楽しく豊かになりました。ゆんぬの空気を感じてもらいたいので、ハコイチで配布します。ぜひ読んでみてください。
ヨロンとハコイチってなんだか似てるなあと思いました。小さな世界で、独自の進化を遂げて、オリジナルの文化が花開いてる。ゆるい島時間が流れていて、みんな自由で好きなことをしているところもそっくり。ハコイチに関わってくれている皆さんと作り上げてきた今のハコイチ、もっと楽しく豊かにしていきますね。長いこと春休みいただきましてありがとうございました。回復しました。また今日からがんばります。
ヨロン島お役立ちリンク
ヨロン島観光ガイド
与論島エコツアーガイドKAI
海謝美
泊ったところ「MEEDAFU'S YUI HOSTEL and COFFEE」
海謝美
4月のハコイチ
開催日時:2022年4月16日(土)17(日)10時~16時
入場無料
会場:ハコビル・ハコ町屋
会場住所:福岡市東区箱崎2-10-34