ハコイチを始めたきっかけについて振り返ってみました
つい先日、ハコイチというイベントを始めたきっかけを久しぶり聞かれました。「ものづくりが好きで、作れる人が偉い世の中にしたいと思ってハコイチを始めた」と答えましたが、過去の自分が書いた徒然ハコイチシリーズの中に、ハコイチを始めた当初の新聞の記事を載せていまして、今回の質問をきっかけに改めて読み直したところ、「一から十まで自分が作った実感を渇望するようになりハコイチを企画した」と書いてありました。
ハコイチを始めたきっかけを話すと、私自身がものづくりをするのかどうかを問われますが「いいえ、私はものづくりをしません、ただの主催です。」と答えます。過去の私はインタビューにあのように答えたようですが、第一回のハコイチから今まで、私が何かを作ってハコイチに出展したことはありません。おやおや「一から十まで自分が作った実感を渇望」していた私はどこへ行ってしまったのでしょう。
初回はとにかく出展者さんを集めて、それから集客をして、会場の準備などなど、忙しく自分がものづくりをするどころではありませんでした。そして回を重ねて安定して開催できるようになってきても、私はものづくりをしていませんでした。というのも、ハコイチに出展を希望してくださる方のレベルがとても高く、それならば私にできる最善のことはハコイチを開催し、作家さんが安定した収入を得る場を提供し続けることだと把握したからです。
一から十まで自分が作った実感というのは、「ハコイチ」という場をゼロから一人で作ったことだとすれば、確かに感じることができます。もちろん今のハコイチがあるのは、たくさんの作家さん、お客さまの協力あってこそですよ。
じゃあ、ものづくりが好きとはどういうことだろうか、と考えた結果、それは何かを「知りたい」という欲求、好奇心でした。ハコイチで私は作家さんと出会い、作品が生まれた経緯や、作り方、込められた思い、小ネタ、失敗談、悩みなどなど、いろいろなことをものづくりを通して「知る」ことができるのです。
今、私の身の回りにはたくさんのものづくりをする人が居ます。おかげさまで、毎月ハコイチのたびに新しいものづくりを知ることが出来ています。ありがたいことに好きな人も、推し作家さんも、お気に入りの作品も、たまる一方です。ハコイチと出会ってくださって本当にありがとうございます。
先日、出展料の値上げのお知らせをさせていただきました。勇気を出しつつもかなりビビりながらのお知らせでしたが、数名の方からとてもあたたかく心に沁みるメッセージをいただきました。ありがとうございます。本当にたくさんの方がハコイチを好きで、大切に思ってくださってるんだなあとひしひし感じています。そんな皆さんに、応えられるようなハコイチにしていきたいです。
ハコイチとはのページにある「主催よりご挨拶」のところは2010年7月の第一回のハコイチの時に書きました。ダイハツ工業を辞めて、勢いだけで福岡に戻ってきた無職の27歳の私が思い描いていた理想のハコイチ、少しは体現出来ているでしょうか。百万遍の手作り市で感じたあのときめきを、福岡でも感じたくて始めたハコイチです。
次のハコイチで、皆さまにもときめきとわくわくを感じてもらえるように、がんばります。毎月第3土曜日と次の日曜日は、箱崎で作家さんと素敵な作品とともに、お待ちしています。