MIDDLE WORLD

生命と物質の曖昧な境界線=”ミドルワールド”

ハコビルから見える道向こうの細い路地。そこは「きんしゃい通り」と呼ばれていて、箱崎の商店街でした。私が中学生のころはたくさんのお店が立ち並び活気あふれる場所でしたが、世の多くの商店街と同じくきんしゃい通りもお店がだんだん少なくなっていました。それがハコイチを初めて少し経った頃から、ぽつぽつと昔ながらの建物を生かして面白いお店が出来るようになりました。

そんなきんしゃい通り、奥に細長い長屋づくりの建物の一画に、ある時大変おしゃれなお店が出来ていました。外観からおそらく花屋さん、とは思うものの、店前に置いてあるのは木?枝?お店の中も見えないし、知ってる花屋さんと見た目が違い過ぎてビビる…。この扉開けていいやつ?

ビビって行かないけど、気になるからInstagramをフォローして写真だけチェックすること数年。ついに勇気を出して、あの扉を開ける日が来ました。というのも、「cocon888」さんと箱崎デートをしたので、しゃれとんしゃる作家さんと一緒ならいけると思ったわけです。あと、「mikusoundmetal」さんの個展がハコ町屋で開催中だったので、そうだ花を贈ろう!という大義名分もあったのです。行くぞ…お邪魔しま~す。

おおお~!すご。艶やかな生花に迎えられました。天井にはドライフラワーがたくさん。店主の兄さんと、サポートのお姉さんの二人に出迎えてもらい、贈り物用の花束でなんかカッコいいやつ…というざっくりした要望を伝えると、予算を尋ねられて、さささーと花束作ってくれました。

めちゃくちゃカッコいいやん…。女性で金属ガンガン叩いちゃうカッコいい作家さんと伝えたから、カッコよさの中に女性らしさもあって、いやぁ、プロすごいです。mikuさんにもとっても喜んでもらえました。

でね、その時お店に並んでいたこれ。

アイリスの「キャサリンホドキン」の球根。かわいいな~と思って、coconさんと二人で買ってみました。コップに根っこが浸かるくらいに水を入れて、置いておけば咲くとのこと。花が開くの楽しみ~と持ち帰りました。

したら、その日の夜にはcoconさんからもう開いちゃったとの報告が。

じゃあうちももうすぐかな~と思ってたんですよ。したらね…、3日経っても、5日経っても、1週間経っても、この姿なんですよ。どういうこと???

ちなみに、咲いたらこんな感じなんだって。

水換えもしたし、根っこも球根も腐ってる感じじゃないのですが、つぼみの部分がだんだんカサカサになってきまして…。結局咲かず、チーン。いや、実はですね、私はグリーンハンドの真逆の能力のデスハンド持ちで、花を始め植物全般枯らしちゃうんですよ。強いですよ、と言われる、エアプランツも多肉植物も気づいたら昇天してるんですよ。でも今回の球根は過去の反省を生かして気にかけていた故にショーック。お店の人にも相談したら、持ってきてくださいって言ってくれて、持って行って見てもらったんですよ。したら、「ああー」って。…察し。家が乾燥していたのかもですね、って。そうかも、毎日洗濯乾燥機をかけておりましたので。

でもキャサリン(球根)が咲かなかったおかげで、顔を覚えてもらえたのと。ごはん会の手土産に、ワンコインくらいの花束を持っていったら喜ばれたのもあって、え、花すご、私の株が爆上がり!となって、私の中で「MIDDLE WORLD」さんの株は激上がりからの突然の思いつき「(勝手に)花のサブスク」。そうだ、花のある生活を送ろう!金曜日が花市場に行って花を仕入れてくる日らしいので、毎週金曜日にお邪魔することに。↓だいたいワンコイン+ラッピング代。

それから、週一で花を買いに行く日々。一回目はこちら。チューリップとアグロステンマ・桜貝、それとクリスマスローズ。

二回目。花びらまで緑のガーベラが珍しくてメインに。茎に毛が生えている系は茎が腐りやすくて少々弱いです…。頭頂部?のような、螺旋に毛が生えてる花(クレマチスシード)もかわいくて購入。あとはアストランティアという花。野の花感があってかわいいんですが、急にがくっと花下から茎が折れてしおれてしまうんです…。でも好きなので何回も買っちゃう…。

お店に入ったらすぐに物珍しいものをさがしがち。このつりがねみたいなのは多肉植物なんですって。

三回目。多肉植物買うよね。この時期はいろんな形・色のチューリップが華やかです。小さなバラは咲きませんでした…。切り花になってもどんどん咲く花と、切った状態のままで咲かない花があるんですって。

四回目。赤い花はなんとバナナの花です。好きでしょ?って勧められたので、好きです!って言って買いました。バナナはほんと長持ちしてくれて、一か月以上我が家をにぎやかにしてくれました。

五回目。この頃から強い花ください、この花強いです、という状態に。我が家で生き残れる花はどこのお宅に行っても大丈夫です。ミモザの時期でしたね。ミモザ、めっちゃポンポンに咲いてたのに、うちに来たら2日でしぼんだけどなんで???

飯塚の生産者さんの花と言って紹介されたので、飯塚の生産者さんの花と認識しているシリーズ。こちらの生産者さん(調べたところ…百冨花園さんかなと思ってます)の花は本当に強い子です…。かわいい草もたくさん生産されていて、草で花束作りたいくらい。草束??私の大好きなニゲラ、長持ちします。

六回目。カンガルーポーという謎の花?が気に入ってこんなアレンジ。ラナンキュラスラックスは我が家でもどんどこ咲いてくれて、目を楽しませてくれました。強い子…。

七回目。これもニゲラ(つぼみの姿?)。ニゲラの姿かたちがいろいろありすぎて混乱。確かこの回は、厨二っぽい名前の花シリーズで花束作ってもらいました。そんな縛りで花を買うのも楽しいです。

八回目。ピカソという名のカラーとくねくねした花。それぞれ曲がり方に個性があってどの子にしようか迷います。このくねくねちゃんも下から少しずつ花が咲いてくれて、最終的には大きなポンポンになりました。真ん中にまたニゲラ。右のフェンネルはハーブなのかな、いい香りがして枯れた後もなかなか捨てきれず…。それと後ろの花々は次から次へと花が開いてくれて、にぎやかでした。花粉がふぁさーって散るけど。

九回目。パフィオペディラムというランをメインに。めっちゃこっち見とる…。クリスマスローズも強くて長く楽しめるのでお気に入りになりました。見かけたら買います。

十回目。芍薬の時期が来ました!ツンとした香気と華やかな花姿が好きです。母方の祖父が花卉農家で芍薬を育てていたため、小さなころから身近にある花でした。祖父は洋シャクと和シャクと言っていましたが、洋風な芍薬と和風な芍薬があって、どっちも素敵です。今は様々な色カタチの芍薬がありますが、やっぱりこの白くて縁がうっすら赤い芍薬がセクシーでいいですね。

そういえば結婚式は5月だったので、ブーケに芍薬の花を入れてください!ってお願いして作ってもらった記憶があります。芍薬とジャスミンの白いブーケで、それからジャスミンも好きになりました。↓こちらがそのブーケ。ブルーの車は、といいますと、カーデザインの専門学校の卒業制作で作ったダイハツ・ハイゼットのFRPモデルを旦那さんにラジコン化してもらって動くようにして、リングを運んできてもらうという演出をしたのでした。

香りは記憶と結びついているので、この時期が来ると本気出して楽しんだパーティ(結婚式)を思い出してわくわくした気分になります。↓本気出し過ぎたブーケトスの図。バナナの皮みたいなのは、初速に負けて外れたブーケのリボンです。確か天井に当たりましたね。

余談でした。なんせ花って美しくてきれいで、それが正しい世界なので分かりやすくていいですね。評価が潔い世界。全力でほめちぎって問題ないから、なんだか気持ちがいいです。ちなみにそんなキレイどころたちを買った花代はどれも1000円~2000円ほどです。短くても1週間、長いと1か月以上も持ちますし、月に一回くらい使ってもいいかな?って金額ではないかと。

そんなこんなで部屋に花がある生活を3か月近く続けてみて、花の知識も増えたし、自分なりの=デスハンドなりの花との付き合い方もわかってきました。強い花を買うんや…。それもこれも、近くにこんな素敵な花屋さんがあるからです。ありがたや…。生花は確かに毎日の水替えや水切りなど手間がかかる分もありますが、その手間以上にパワーをもらえる存在だとわかりました。エナジー吸い取れる。これから暑くなってくるので花にとって大変な時期になりますが、通いたくなる花屋があるので、マイペースで楽しみたいと思います。皆さんも箱崎にお越しの際にはぜひ行ってみてください。いろんな花に出会えますよ!

MIDDLE WORLD
住所:福岡県福岡市東区箱崎1-32-31
営業時間(おおよそ):10:00-18:00
定休日:不定休
電話:090-4894-7988
HP
Instagram

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